こんにちは、三井です。
デザインの歴史というとウィリアム・モリスやらアールヌーボーやらが出てきますが、 個人的な趣味で飛ばします。
で、いきなりアヴァンギャルドです。
「アヴァンギャルド」は、前衛、先駆け、革新的という意味。
「アヴァンギャルドだねぇ」と言われると、ちょっと皮肉のニュアンスがあるのは新しいデザインの運動は起こらないだろうという認識を反映しているんでしょうかね。 デザインは新しいものを作るのではなく、今あるものに0.5ぐらい足すものだと言われますし。
ムーブメントとしてのアヴァンギャルドはちゃんと調べたことなかったんですが、調べてみるとだいぶ興味深いです。
ロシア・アバンギャルドは、1910年代〜1930年代初頭までの、構成主義を中心とした芸術ブームの総称です。 メッセージ性が強く、行動を促すようなデザインが特長。 1910年代〜というと、日本で言うと大正時代ですね。
ロシア・アヴァンギャルド
ムーブメントに関わった巨匠ごとに感想。
エル・リシツキー
エル・リシツキーはグラフィックデザインの祖的な人だそうです。
ロシア・アヴァンギャルド全体にいえますが、リシツキーのテーマは「鑑賞するものに行動を促す」だったそうで。
今で言えば広告の考え方に近いですね。
プロパカンダと広告では意味はだいぶ違いますが。。
斜めの構図が多く動きがあるので、その辺が行動を促す、に繋がっているように思います。
今見ても、めちゃめちゃ格好いいです。
アレクサンドル・ロトチェンコ
ロトチェンコはグラッフィク・デザインの父だそうです。父とか祖とか。。
ロトチェンコのポスターも、かなり動きを感じる構成になっています。
そして一番印象的なのが、フォトモンタージュ。
フォトをモンタージュしたロトチェンコ風デザインは、今でもよく見ます。
フランツ・フェルディナンドのジャケットはまさにですね。
フランツ・フェルディナンドは、ちょっと懐古的な音楽(ロックンロールリバイバルブーム)なのでデザインとも合ってます。
Алекса́ндр Миха́йлович Ро́дченко - Google 検索
「行くぜ、東北。」のポスターも、ロトチェンコのオマージュだと思います。
パウル・レンナー
みんな大好きFutura(フーツラ)も、アヴァンギャルドに影響を受けて、パウル・レンナーによって作られています。
futuraはラテン語で「未来」という意味。
1920年代に作られたフォントが今なお先端をゆくのは、名は体を表す、ですね。
↓異常に愛されていたりもします。
バウハウス
かの有名なバウハウス(ざっくりいえば、芸術・デザインの学校です)もアヴァンギャルドの流れで生まれてます。
バウハウスはドイツ語で「建築の家」。
「Less is more(より少ないことは、より豊かなことだ)」
「form ever follows function(形式は常に機能に従う)」
などの名言が表すとおり、現在のデザインの考え方はバウハウスの影響を強く受けています。
と言うか、バウハウス無しには今のデザインは語れないでしょう。
さいごに
ロシア・アヴァンギャルド。
現在のデザインに与えている影響は半端ないです。
企業ロゴにしろ、紙面やWebのデザインにしろ、アヴァンギャルドの流れのデザインは、もはやデファクト。
「このデザインは何でこのデザインなのか?」というのを理解するには、非常に参考になるんじゃないでしょうか。
【参考】