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デザインの歴史(インターナショナルタイポグラフィックスタイル編)

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こんにちは、ミツイです。

デザインの歴史、第三弾はインターナショナルタイポグラフィックスタイルです。

これがやりたくてデザインの歴史を書いてみたというくらい、好きなスタイル。

当ブログのデザインも、これを参考にしていたりします。

design.goalist.co.jp

 

例のごとくざっくりではありますが、まずはインターナショナルタイポグラフィックスタイルとは、から始めます。

インターナショナルタイポグラフィックスタイルとは

別名、国際タイポグラフィー様式、スイス・スタイルなどと呼ばれるグラフィックデザインの様式。

1920年代にロシア、オランダ、ドイツで登場し、1950年代にスイスで発展しました。

特徴としては、左右非対称のレイアウト、グリッドの利用、アクチデンツ・グロテスク(19世紀に誕生したサンセリフ書体。ヘルベチカの原型となった)の様なサンセリフ書体の使用、左揃え右ラグ組み(段落の左側の文字を揃え、右側は自然のままに不揃いにしておく)など。


スイスではドイツ語、フランス語、イタリア語など地方によって言語が違うので、複数の言語を表記する必要が多かったのが、このスタイルの名前の由来だそうです。

 

インターナショナルタイポグラフィックスタイルの先駆者として知られるErnst Kellerがチューリッヒ応用美術学院のグラフィックデザインとタイポグラフィコースで教えたのは、「美のための美」あるいは「目的の美しさの創造」ではなく、「デザイン問題の解決策がその内容から出てくるはず」というスタイルの哲学。

バウハウスの「form ever follows function(形式は常に機能に従う)」もそうですが、現代のデザインの考え方の基礎になっているように思います。

 

いつも通り、巨匠たちの紹介と所感をば。


ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン

スイス・スタイルの典型例として引用されることの多いデザイナーです。

ノイエ・グラフィック誌(Neue Grafik)の創刊者兼編集者、IBMのヨーロッパのデザイン・コンサルタントとしても活躍してます。

 

グリッドデザインや左揃え右ラグ組みも特徴的ですが、個人的には幾何学幾図形の使い方が一番印象的でした。

形を繰り返して、そこにアクセントをつけてリズムを出す。

見ていて気持ちいいことこの上ない。


アクセントのつけ方も、ズラしたり、色を変えたり、重ねたり、折れ曲がりが線の動きに見えたり、曲線がウニョウニョと動いて見えたり、と、アイデア満載です。


ノーマン・マクラレン※1のアニメーションが好きなんですが、ブロックマンは動かない紙面で動きを感じさせます。

とにかく、めちゃくちゃ格好いいです。

 

UI・UXが全盛の昨今、グラフィックデザインは若干日陰を見ている感がありますが、やっぱりグラフィックもめちゃくちゃ大事だと思わせられます。

 

最近のデザインでいうと、繰り返しのリズムによる気持ちいい感じとか、東京オリンピック2020のロゴに近いものを感じます。

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Josef Müller-Brockmann - Google 検索

 

※1ノーマン・マクラレンの動画「Synchromy」

www.youtube.com


※1 Neue Grafik
第二次世界大戦後の1950年代後半にスイスで発行された伝説的なデザイン雑誌。

リヒャルト・パウル・ローゼ(1902-1988)、ヨゼフ・ミューラー=ブロックマン(1914-1996)、ハンス・ノイブルク(1904-1983)、カルロ・ヴィヴァレリ(1919-1986)の4人のデザイナーにより創刊されてます。

デザインを紹介している雑誌ですが、雑誌自体が格好いいです。

http://post-books.info/new-arrivals/2015/1/12 http://www.eyemagazine.com/review/article/we-made-this-authentic-trilingual-landmark



まとめ

今回はブロックマンのみの所感とします。

もう、お腹いっぱいですw

次回は、他の巨匠たちについても書こうと思います。

「Neue Grafik」欲しい。でも高い(¥31,638 )。。