Goalist Design Blog

デザイン批評をはじめてみた

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こんにちはミツイです。

いつのまにかセミが鳴き始めていますね。

もう夏です。すでに夏バテです。頑張ります。

 

デザインの歴史シリーズ書いてましたが、今回は趣向を変えて、チームでのデザインの進め方についてです。

 

ゴーリストでは、最近デザイナーが2人増えて、デザインチームが4人になりました。

せっかくなので、個々でデザイン進めるのではなく、チーム力を活かしつつデザインしていこうかと。

「みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド」という本がとても良かったので、これを参考にしつつチームでのデザイン進めています。

 

Amazon.co.jp: みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド eBook: アーロン・イリザリー(Aaron Irizarry);アダム・コナー(Adam Connor), 安藤 貴子: Kindleストア

 

一番ナルホドと思ったところについて、ざっくり説明してみます。(個人的な解釈入ってるので、ぜひ実際に本を読んでもらうことをオススメします。)

 

批評で進めるデザイン

デザイン制作を進める際に、個人で最後まで作ってレビューするのではなく、こまめに批評しながらイテレーション(反復して改善)していきます。

批評という言葉が日本語的にニュアンス伝わりにくいかと思いますが、

1.チームやステークホルダーにデザインを見せて、気になる点を洗い出してもらう

2.それを元にデザイナーが改善していく

というのを繰り返します。

批評してもらうタイミングは、定例でもデザインに迷った時でも良いですが、基本、わりとこまめにやります。

 

批評をする時のコツ

1.あくまで人ではなく、制作物に対しての批評である

あくまでデザインを良くするための批評です。

デザイナーを鍛えるためと思って「色についてもっと勉強しなきゃいけないよ」とか、個人に対しての批評はしません。こういうの言われると、萎縮します。

批評が嫌になってしまったら負けです。

 

2.批評のための基準を持つ

デザインをする際に大事なのが

目的:デザインを見る人(使う人)がしたいこと、満たしたい欲求

ペルソナ:どんな人が見る(使う)のか

シナリオ:どんな時に(前後の時間含めて)、どうやって見る(使う)のか

の3つ。

目的に関しては作る側の目的を思いがちですが、デザイナーはあくまで利用者側に立ちます。

批評する時は、上記3つにあっているかどうかが基準になります。

「男子中学生(ペルソナ)が通学中の電車で(どんな時に)漫画を読む(したいこと)ためには、トップページから漫画を読むまでの画面遷移が多すぎるんじゃない?」とか。

上記3つはデザインをする時の基準になるので、批評する全員がそれを理解していることが重要。必要な場合は、mtg前に改めて共有したりします。

 

3.して貰った批評に対して、すぐに応えるのではなく、まず聞く

これ、意外とできていないです。

「このサービスの利用者はじっくり見る時間はないんじゃないかな。今のデザインだと申し込みボタンを見つけにくくない?」

とか批評されて

「いや、そこは既に考えていて、色でアクセントつけてるんですよ」

とか即答しちゃったりしがち。

いきなり応えずに、してもらった批評に対して5秒(くらい?)考えてみて、その意味を咀嚼するのが大事です。

さらに「それはつまり、操作できる部分が多すぎて何をしていいか迷いそう、ってことです?」みたいに能動的な質問をしていきます。

相手の言ってることを理解していくには、「そうですか?」みたいに意味のない質問をするんじゃなくて、自分の言葉で言い換えて聞く。まったく理解できていなければ「すいません。もうちょっと詳しく聞いていいですか?」など、開いた質問(はい・いいえで答えられない)をする。

 

4.批評時に改善案を考えない

これもやれていないことが多いです。

上述の例だと「ボタンを見つけにくくない?」に対して、「もっとボタンを大きくしたほうがいいんじゃない?」とか「いや、色を変えた方がいいか」とか考え出してしまうと、そこで批評の時間が止まってしまいます。

さらに、次の批評(ボタンの問題以外の話題)に移った時に批評メンバーの誰かが「ボタンの配置が…」とか考えてしまうと、次の批評についてはその人が参加しない状態になります。せっかく集まっている意味がないですね。

批評は、改善が必要な点の洗い出しに終始させます。

改善案を皆で考えるとしたら、批評とは別に時間を設けます。

 

まとめ

批評でデザインを進めることで、

・複数人の視点が入ることで、より多角的に改善が必要な点を洗い出せる

・批評にとどめることで改善案をデザイナーが考えることになり、最大公約数的なデザインになるのを防げる

・前回批評時に対する改善案を見ることで、参加した全員がナレッジを貯めていくことができる

等のメリットがあります。

中でも、チームでのナレッジの共有は一番大事かもですね。

知識としてのベストプラクティス(最も効率のよい技法、手法)が増えるし、デザインすることで得られるコツのようなものを全員で共有できます。

 

あと、デザイン以外にもこの批評のやり方は有効だと思います。

チームで作業するいろんな場面で批評を使ってみて欲しいです。

 

とはいえ、“お昼なに食べる?”みたいな時に批評を始めると、非常に面倒くさい人になるのでご注意くださいw