Goalist Design Blog

デザインスプリント入門

f:id:k-mitsui:20180420151913p:plain

こんにちは、ミツイです。
っという間に4月になってしまいました。
「あ」とも言えないくらい早いです。

まだ寒い2月のことになりますが、株式会社ISAOさんという会社にデザインスプリントのワークショップを開いていただきました。
時が経つのが早すぎて書くのが遅くなってしまったのですが、非常に勉強になったのでブログとして共有させていただきます。
※ウカウカしているうちに社内のエンジニアに先にブログに書かれてしまったので、 デザインブログではワークショップで得た気づきと復習として調べたことをベースに書こうと思います。
ゴーリストエンジニアブログでの記事はこちら↓
http://developers.goalist.co.jp/entry/2018/02/23/151759#STEP%EF%BC%91Discover%E7%99%BA%E8%A6%8B



デザインスプリントとは

デザイン上の問題を解決するための短期間でのスプリントのこと。
Google VenturesがDesign Thinkingやアジャイルなどの方法論を元にカスタマイズしたものです。
Slackやブルーボトルコーヒーが導入していることで有名です。
詳しいことは以下のスライドがわかりやすいです。

www.slideshare.net

デザインスプリントとブルーボトルのプロトタイピング(翻訳)
http://labs.theguild.jp/?p=102

The Design Sprint
http://www.gv.com/sprint/

今回のワークショップでは時間の関係もあり、Day1で課題の発見・見える化・決定と駆け足で行いました。
その分Day1は内容が厚い、熱い。
長くなりそうなので、小分けに書いていきます。



流れ

今回のワークショップでは弊社のサービス「HRogチャートhttps://chart.hrog.net」をリデザインすることをテーマにしたので、
まずはサービスについて理解するため企画者・開発者からの説明から始まりました。
サービスについて改めて参加者の理解が整ったところで課題の理解フェーズに入ります。
課題の理解のフェーズで行ったそれぞれについて、所感含めて書いていきます。

  1. ユースケースの書き出し
  2. ユーザーテスト(課題発見)
  3. How Might We(今回はここまで)
  4. テストの結果とHow Might Weの結果をユースケースをマッピング
  5. サイレント評価



1.ユースケース

f:id:k-mitsui:20180402125352p:plain

サービス内での重要なユースケースについてマップを描きます。
重要なユースケースに絞ることが大事。これ、本当に大事。
単純にサービスに関わるユーザーストーリーと言っても、時間軸に対しても、細かさに対しても全部やろうとすると膨大になってしまいます。
AIDMA、LPのオンボーディングからコンバージョンまでの動線、入力フォームのユーザビリティテスト…とやっていくと、今回考えたいプロダクトUIまで進めません。
また、使い始めてからのサポートとのタッチポイントなどまで考えてしまっても論点がずれます。

  • 適度に粗く描く
  • スタートとゴールを決めて描く

のが大事なんじゃないかなと思いました。



2.ユーザーテスト(課題発見)

デザインスプリントでのユーザーテストは課題発見のためのテストと、検証のためのテストがありますが、この時のテストの目的は課題発見。
テスターには別室でサービスを操作してもらいます。
皆が見ている前でテストするのも緊張しますもんね。なるべくリラックスした状態で、テストするのが大事だそうです。
共有したディスプレイの画面とカメラで撮影したテスターの顔を見ながらテストを進めます。
f:id:k-mitsui:20180402130052p:plain

今回はappear.inというサービスを使いました。こいつ、めちゃ便利です。
https://appear.in/

まずは、スタートとゴールを設定して、テスターに指示を出します。
HRogチャートは求人市場のデータを分析するサービスなので、
「千代田区の飲食・フードの年間出向金額の多い企業別ランキングを出してください。」のようなゴールを設定しました。
ログイン画面から始めてもらい、心の声をつぶやきながら操作してもらいます。
テスターの表情や、マウスの動き、つぶやく言葉や語調からサービスの問題や良い点が見えてきます。
それをネガティブかポジティブかわかるようにしてポストイットに書いていきます。
(本当は色を分けると楽そうですが、今回は全て同じ色のポストイットだったので“ネ・ポ”のマークを付けて区別しました)
やってみると、あっという間にポストイットがいっぱいになります。
ネガティブばかりに目がいってしまうのは、伸びしろが多いということで逆にポジティブ!と自己暗示をします。

テストをし終わったら、全体を通して感じたことをインタビュー。
どこでどう思ったのか感じたのか聞いていきます。
テストも色々コツを教わったのですが、Day3の記事で書きたいと思います。



3.How Might We

f:id:k-mitsui:20180402141930p:plain

テストで得たネガティブ・ポジティブの気付きに対して、
「我々はどうすれば◯◯できるか」という形で「良い面を伸ばす」「反対を探す」「悪い面を除去する」「そもそもを考える」という4方向に考えるのがHow Might We。
※How Might We、略してHMW。IDEOが使い始めた問題を定義する手法だそうです。

参考
ddcph.hatenablog.com dschool.stanford.edu

今回のワークショップで実際出たHRogチャートに対する気づき(課題)に

  • 集計結果を出すのに時間がかかる。
  • 集計中も他の操作を行うことができるが、集計がいつ終わったのかがわからない。
  • 複数集計すると、待ち時間はどんどん伸びる

というのがありました。
それに対して、

「良い面を伸ばす」 我々はどうすれば、集計されるまでの時間を有効活用できるだろうか?

「反対を探す」 我々はどうすれば、待ち時間を楽しくできるだろうか?

「悪い面を除去する」 我々はどうすれば、集計が終わったことをユーザーに知らせられるだろうか?

「そもそもを考える」 我々はどうすれば“待つ”という状況をなくすことができるだろうか?

のような形で一つの気づきに対して、4方向に考えを広げることができます。
最初の気づきでは問いが漠然としているので、アイデアも出にくいですが、How Might Weで考えることで解決の方向を集中して考えることができますね。



今日のまとめ

ユーザーの理解、課題の発見はUXにとって要。
ユースケースの作成、ユーザーテスト、HMW共に初めてだったので、非常に勉強になりました。
さらにデザインスプリントは時間制限を設けて行うので、全てを集中して行えたのもとても良かったです。
デザインスプリントを取り入れたいという会社さんは、ISAOさんのワークショップ、オススメです。
www.isao.co.jp

次回もユースケースへのマッピング、サイレント投票、と書いていきますので、よろしくお願いします。
ではまた。